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静岡県伊東市川奈、東伊豆の海を臨むのどかな場所に、医療法人弘潤会 

はぁとふる川奈内科泌尿器科はある。昭和63年開業、当初は外来診療のみを行っていたが、伊東地区に透析施設が少なかったことから患者さんの要望の声が高く、人工透析室を増設した。現在は透析ベッド数川奈28床、伊豆高原19床、地域になくてはならない透析施設となっていると同時に、ある企業健保の調査『あなたの選ぶ医療機関』では、静岡県6施設の1つに(「泌尿器科」のカテゴリー・診療所では唯一)挙げられている。昨年からは常勤医師を増やし、診療科目に外科の分野も加わった。開業から18年(取材当時)。はぁとふる内科・泌尿器科の発展と、現在の人気の秘密はどこにあるのか。肥田大二郎院長にその理念と取り組みについて伺った。

Q. まず、診療所の理念についてお聞かせください。

A. 当院のモットーは「はきはき、いきいき、爽やかに」ということです。自分の家族に接するような気持ちで医療を提供すること、患者さんの人生が豊かであるように努力すること、そういう心のサービスがあって、その上に「上手くて、早くて、安い」という医療サービスがあると思います。「医療は究極のサービス業」というのが、診療所全体の理念であり、また私自身が最も心がけていることでもあります。


Q. 「究極」のサービス業というのは、どういう意味なのでしょうか?

A. サービス業というのは普通、ものの価値(値段)が決まっていて、それを求めるお客様に売る仕事です。人に対して何かを提供するという点は同じなのですが、医療というのは、「この薬をください」と言われて「そうですか」とそれを渡す商売ではない。治療が要るのか要らないのか、どの薬を渡すのか、全ては医師の診断に委ねられているのです。ですから極端な話、ある医師のところで診てもらったら1日の診療で終わり、別の医師のところへ行ったら何年もずっと通院、などという事態が起こりかねない。医師の性格・力量次第という部分が少なくないのです。また、診療の基準もありません。実に曖昧模糊としたサービス業なのです。 さらに、「仕事が往復する」という特殊性もあります。これが良いと思って薬を処方しても、効果がなかったり、副作用が出たり・・・という「結果」が返ってくる。これも他のサービス業ではあまりないことではないでしょうか。そういう意味で医療は究極のサービス業だと思うのです。

Q. 具体的にはどのようなサービスを行っていらっしゃるのでしょうか。


A. まず診察時にも、薬の料金(薬価)を「高いもの・安いもの」というふうに表示して説明します。患者さんは、診察室に座るとお金のことを言わない方が以外に多い。医療に関しては諦めているのですね。旧来の「お医者様」像です。でも、そこをなんとか改善しようと、ここでは医者の椅子と患者さんの椅子を同じものにし、診察室も開放的にして、何でも話してもらえるよう、そしてできるだけ安く良い医療を提供するよう心がけています。

Q. 「上手くて、早くて、安い」の実践ですね

A. 「早く」ということに関しては、どうしても待ち時間が生じてしまいますので、患者さんが来院されたらまず外来受付で問診を行い、診察室に入る前に検査技師や看護師の指示のもと、先に尿や超音波などの検査を済ませてもらうようにしています。これらの検査は患者さんの訴えに応じて、ときにサービスで行うこともありますが、その結果、風邪で受診した患者さんに偶然、癌が発見されたなどということが少なくありません。早期発見・早期治療という面でも、効果をあげています。
診断面では、医師やスタッフが個々の診断能力・治療能力を上げるよう努力することはもちろんなのですが、専門外のことは、専門の医師にすぐに紹介することを心がけています。何でも自分たちでやるのではなく、日頃から診療所、病院同士の連携を密にしながら、それぞれの得意分野を地域で分担するほうが良い。患者さんを主体に考えれば、そのほうが良いと考えています。当院から他院へ紹介した患者さんは、高齢であったり急を要したりするときには車や電車を使って、スタッフが紹介先までお送りしています。

Q. 災害、特に土地柄、地震時の透析医療の危機管理に関しても、日頃から気をつけていらっしゃるようですね。

A. やはり災害時に最も重要となるのは、いかに透析患者さんを安全な透析施設に送るかということ。そのために、日頃の医師同士、病院同士の密な交わりが大切だと思っています。また、地域の連携も重要。当院では、地元の企業に、水の調達などの協力を約束してもらっています。

Q. 院内の連携も、大切になさっているようですね。

A. 先述した診療前の検査のように、当院では医師以外のスタッフが、それぞれの専門知識を使い各人の判断で仕事をすることが非常に多いのです。私はいつも、「スタッフの役目は、コストが高くプライドの高いドクターをいかに効率的に使うか考えることだ」と言っています。医療内組織は医師を頂点とするピラミッドではなく、医師も歯車の一部で、それぞれが歯車となって動くチームなのです。ですから当院では、医師が見逃した癌を検査技師が発見する、医師の気づかなかった兆候を看護師が指摘するという事が珍しくありません。「あの患者さんが気になるから、往診しましょう」と看護師に促されて往診することもしばしば。しかし、疲れている医師一人の判断よりも、いろいろな角度から患者さんを見ているスタッフの判断が正しいことも多いものです。誰かが間違えたり、見逃したりしても、別の誰かがそれをチェック・指摘して正し、「はぁとふる内科・泌尿器科」全体で正しい医療・良い医療が行われれば良い。当院ではそういう気持ちがスタッフ全員に浸透しているし、また、皆、良い医療サービスを提供するために、本当にがんばってくれていると思いますね。