2017年吉日

今月の健康」No.4

竹藪 醫(たけやぶい)

 今から25、6年前に患者様の岩田さんと言う方が中心となって、
肥田医師が「たけやぶい」と言う名前で「高原だより」、と言う小冊子を、
「今月の健康」と題し、毎月伊豆高原の方々に向けて発信していたものが、
川奈の診察室の、本棚からみつかりましたので、
毎月皆様に、肥田コラムでご紹介して行きます。

「あなた歩く時には、背筋を伸ばし、地面を強く蹴るようにするんですよ・・・。
膝が痛いですか。ツボがあるんだから、
あなたそこにちょこっと座ってみて・・・押してあげるから・・・。」
ゴルフ場で奇妙なご婦人にお会いしました。
この魅力的なご婦人は「私は八十を過ぎてもゴルフをするのですから・・・。」
と張り切って話しておられました。
ある種の人は、若い時はともかく年を重ねるにつれて、だんだんと魅力的になってゆくこともあるようです。
 多くの人が思っているように、年を重ねることと、弱くなる、醜くなることは、イコールではないようです。年をとってなおかつ、だんだんと魅力的になって行く人は、人生の喜怒哀楽を少し誇張してとらえ、それを、やや控え目に表現する能力のある人に多いいようです。
大胆に言えば、身体が完全に健康であったとしても、気分的に沈みがちで、自分自身が病気だと思い込んでいる人が余りにも多いいようです。

 悪いように、悪いように考える誠に損な人達が大勢います。何の為に生きているのか分からない人がいます。
 癌にかかるか、かからないのは多くの場合、神様のちょっとした気まぐれからのようです。それは何百万もある遺伝子のちょっとした異変によって、癌遺伝子の仕業によって「癌」になるのです。

 癌だって、早期ならほとんど100%近く完治を望める胃癌のような場合もあります。このような場合は、非常にラッキーです。人生についてる訳です。

個人が悪人であっても、善人であっても、神を信じていようが、いまいが
100万円の壺を買おうが、買うまいが、病気には一切関係ないことです。

 ただ親が長生きすると、子供も長生きする可能性が、多分にありますから
「親の長生きは、子供にとって希望でもあります。」と言って子供に親孝行を勧めるのがいいようです。
 話が、横道にそれました。
「高原だより」を改めて要旨を再認します。

(1) 病院には、おしゃれをして行きましょう。化粧も、香りも、うまくつけて。
(2) 2軒くらいかかりつけを、つくりましょう。
(3) 印象的なかかりかたをしましょう。
(4) 時には、医師を疑いましょう(マズイカナ)
(5) 困った時は親切な消防署に相談しましょう。
(6) 保険外の医療はありません    いつ死んで行くか、ポックリゆくのか、分かりません。
  「ランプの灯りが消えないうちに、人生を楽しみましょう。」
  旨い酒でも飲みながら、青春の日の彼女の事を思い出しながら・・・。
  年を重ねても、だんだんSEXY(魅力的)に見えるように・・・
  人生を楽しみましょう。

2017年吉日

今月の健康」No.3  正しい医師のへのかかり方

竹藪 醫(たけやぶい)

 今から25、6年前に患者様の岩田さんと言う方が中心となって、
肥田医師が「たけやぶい」と言う名前で「高原だより」、と言う小冊子を、
「今月の健康」と題し、毎月伊豆高原の方々に向けて発信していたものが、
最近川奈の診察室の、本棚からみつかりましたので、
毎月皆様に、肥田コラムでご紹介して行きます。

 先日、お互いに注意していれば未然に防げたかも知れない不幸な出来事がありました。
それは某別荘に住む70歳過ぎの一人暮らしの老婦人のことです。
普段気管支喘息である医師にかかっていました。倒れる前の日も呼吸困難が強く、医師の治療を受けられたが少ししか軽快しない為、医師は入院を勧めたが、固辞されて呼吸困難のまま一夜を明かされた。
翌朝10時半、呼吸困難が強くなり、医師の許へ、「夕方5時頃、知人が来るのでその時入院したい」と電話があった。
医師は電話の様子から喘息がかなりひどいと判断し、救急車に出動を要請したが、住所が判るのみで具体的な場所が判らず、再度老婦人宅へ電話した。
その時は彼女の意識もはっきりして、場所をチャンと聞き出す事が出来た。そして救急車は現場へ到着できた。
ところが何とすべてのドアに錠がかかっていて家の中に入れず、救急隊員はベランダより無理矢理に押し入って見たら、老婦人は息も絶え絶えにベッドの傍らに倒れていたそうだ。
私の診療所に来たときは、呼吸停止、脉拍も触れない状態であった。
私は数分後には、死亡診断書を書かなくてはと考えた。
幸いな事に気管内挿管の治療で心臓が動きはじめ、自発呼吸も出るようになり、某院の集中治療室へ搬送しましたが、最悪の場合は植物人間となりかねない心配がありました。

※          ※          ※           ※

 私は医師の立場から、率直に「年寄りの一人暮らしは、おやめなさい」と言いたい。
色々な事情がおありでしょうが、どうしてもと思うのでしたら、皆さんの家の近くに三食付のアパートでも探し仲間同志で住まれたらどうですか。
いわゆる別荘地で暮らすのは70歳までです。このご婦人は一回炊いたご飯は3日間も食べると申しておりました。
これでは、食欲が落ち、それこそ「うつな気分」となります。
年寄りの恋愛とか、そんな大それた事を申し上げるのは控えますが。
年をとっても異性を上手に意識するような、連れが早く亡くなったら、後釜をひそかに迎えるような人になって欲しいと思います。
私の昔の患者さん(75歳)から最近こんな電話がありました。「先生、俺一人で暮らしていると寂しくなってねぇ。恥かしい話だけど、偶然初恋の人と再会し、お互いに連れに先立たれていた事が判り、その人と付き合い初めているのだけど、先生・・・俺・・・悪い事してるのかねぇ・・・・。」

 彼は元、町会義長もやった紳士であり、妻が亡くなる前は何年も付ききりで、妻が入院となれば、彼が肩の上に妻の大きな特性の布団を担いで送る程の愛妻家でした。
私は「それが本当の人間だよ。」あなたの考え方に大賛成だよ。
今度一度一緒に酒でも飲もうよ。」と人間万歳と心の中で叫びながら電話を切った。

2017年吉日